忙しい社会人のためのビジネス英語講座(79)基礎力を固める(2)~Eメールの校正~

こんにちは、Frankです。

今回はビジネスパーソンなら誰もが苦労する、Eメールについてお話
をします。

中学・高校・大学と英語を勉強してきたのに社会人になっていざ英文
Eメールを書けと言われるとどう書いていいのやらサッパリわからな
いという方が殆どだと思います。

あなたが大学の4年間、アメリカやイギリスに留学していたならまだ
しも、数か月の語学留学程度ならまともなメールは書けないと思いま
す。

何故なのでしょう。大学入試のときも、一生懸命英語の勉強をしたと
いうのに。「英語のセンスがないのかな?」。いや、そう判断するの
は早計です。

確かにセンスもありますが、答えは単純。只単に情報の整理と肉付け
ができていなかっただけなのです。

折角、中学・高校・大学や語学留学で習った数々の英単語や英文も、
あなたがそれぞれの知識をバラバラに放置していたなら、思い出すこ
とができないのは当然でしょう。だって憶えた語彙や表現を、きちん
とジャンルごとに引き出しにしまわなかったのですから。

例えば「動脈硬化」(arteriosclerosis)という病名を憶えたら、「病
名」の引き出しにしまい、「喫煙者の方が、動脈硬化になる危険性が
高い」(People who smoke tend to have a higher risk rate of develop-
ing arteriosclerosis.)も例文も肉付けとして添えておく。

これによって「動脈硬化」を使った基本英作文をマスターできるので
す。いわゆる英単語と英文作成の連携を構築していく作業です。これ
が、ビジネス英語のEメール作成でも大事になってきます。

単語だけ調べて英文を作成していくのではなくコロケーション(col-
location[連結語])、例えば「万障繰り合わせて」(at great incon-
venience)のような成句を意識し頻繁に使いながら、英文作成におけ
る不確定要素(「この名詞の前には冠詞がつくかつかないか」や「こ
の形容詞の後は of か in か」など)を減らすことによって、完成度を
高めればいいのです。

大袈裟な言い方をすれば、こうしたコロケーションや成句を並べるだ
けで文章が作れるレベルまで知識を増やせばいい
のです。

「経理部は、右側の2番目の部屋です」なら、[The Accounting De-
partment (is)/the second office/on the right.]でOKというわけで
す。

単語をいちいちくっつけていくのではなく、代わりに連結語を並べて
いく。これだけの話です。ここで、ちょっと纏めてみましょう。しっ
かりと頭に入れてくださいね。

1.憶えた単語はジャンルごとにノートや文書ファイルに整理する
2.日常業務のメールのやり取りで1.の単語が出てきたら、その文
  章を丸ごと1.に追加もしくは添付し、文章で憶えるようにする
3.業界の専門誌や英字新聞を定期的に読み、1.や2.で憶えた語
  彙や表現がどのように使われているかチェックする
4.3.の表現を1.に付け加え、内容を充実させる
5.日々、ビジネス英語Eメールの作成時に、1.を反映していく

要は1.から5.の繰り返しで、ビジネス英語Eメール作成のスキル
が日に日にアップしていきます。

決まりきった定型の案内ならまだしも、仕様書の説明やクレームの対
応など内容がより複雑になった場合、上記のような、日々の努力が生
きてきます。忙しさにかまけて1分、2分の努力を惜しまないように
しましょう。

私自身、商社に入社してからある程度一人前と言われるまでの間、英
語表現を詰め込んだノートが10冊を超えました。貼り付け、書きなぐ
ったこれらのノートは、今でも私の大きな財産になっています。

さてビジネス英語のEメールの例文集は、書籍やネット上でいっぱい
出回っているので、ここでは省略させていただき代わりにあなたの英
作文の校正力をチェックしようと思います。

出典は「ネイティブチェックで鍛えるビジネスライティング」(株式
会社DHC)です。日本人には分かりやすいデイヴィッド・セインさ
んの書籍です。

■ 基礎力を固める(2)~Eメールの校正~
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次の日本文の英語訳のどこが間違いか、校正してください。

「まずは上司と相談しなければなりませんのでお返事できませんが、
8月中にはお返事差し上げるように努力いたします」= I can’t give
you a reply because I have to talk to my boss first. I’ll try to give
you an answer sometime in August.

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【出典】ネイティヴチェックで鍛えるビジネス英文ライティング

上記の英文例ですが、デイヴィッド・セインさんが指摘している通り、

1)I can’t give you が子供っぽく聞こえるのと、
2)I have to talk to my boss も言い訳がましく聞こえ、
3)I’ll try to は相手に確約を与えないことになり、
4)sometime in August も言い逃れのように聞こえてしまう

という印象です。そこで模範例を見てみましょう。

■ 基礎力を固める(2)~Eメールの校正~
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次の日本文の英語訳のどこが間違いか、校正してください。

「まずは上司と相談しなければなりませんのでお返事できませんが、
8月中にはお返事差し上げるように努力いたします」= I can’t give
you a reply because I have to talk to my boss first. I’ll try to give
you an answer sometime in August.

【模範例】
I am not ready to give you a reply now, but I will give you
an answer by August 30.
ときっちりと期限を入れる方が
いいでしょう。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【出典】ネイティヴチェックで鍛えるビジネス英文ライティング

特にあなたが海外に出張に行っているときなどは、上司や本社に相談
するなどと言うと「あなたは本当に sales representative なの?」と
バカにされたりします。くれぐれも気をつけてくださいね。

ところでデイヴィッド・セインさんの大好評の書籍ですが、第2版が
発売されているので、ご紹介しておきます。ネイティブのニュアンス
が上手く説明されている良書です。

この一冊を持っておけば、ライティングにも自信がつきますよ。
一生ものですね b^^)

ネイティヴチェックで鍛えるビジネス英文ライティング第2版――

ネイティヴチェックで鍛える ビジネス英文ライティング 第2版

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本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では次回の講座を楽しみに b^^)

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