こんにちは<Frank>です。
今振り返ると、中学時代から私は議論をするのが好きでした。と言う
か「その頃、好きになった」と言った方が正しいのかもしれません。
これは、中学2年生のときに知り合ったT君のお蔭です。彼は私の人
生を大きく変えました。今でもT君のことを親友だと思っています。
当時クラスで約45人中43番ぐらいの成績だった私に「一緒に勉強しよ
う」と誘ってくれた彼。
またある日の下校途上では、気に食わない四、五人の不良に二人して
罵声を浴びせたとき、運悪くT君だけが帰宅一歩手前で連中に捕まっ
てしまい、顔をしこたま殴られたにもかかわらず、私の名前を決して
明かさなかった彼。
そして私が学習やクラブのことで悩んでいたときも、それを察してか、
いつも私の話しに耳を傾けてくれた彼。
今でも感謝しきれないぐらいです。これらのどの1つをとっても親友
に値するには十分なのに、更に彼は私に議論する楽しみを教えてくれ
ました。
「弁証法」(Socratic method [= dialectic method of inquiry])という
と大袈裟かもしれませんが、一緒に図書館で学習しているとき彼はい
つも次々と私に質問を浴びせ、真理の追究を求めました。
それはまさにソクラテスの問答法であり産婆術でした。彼のこの弁証
法を通して私は英語が好きになり、話すことが好きになりました。
一般的な前提から論理に基づき結論を導き出す演繹法(deductive me-
thod)や個々の事実から因果関係を推論し一般性を導き出す所謂、演
繹法の対義語である帰納法(inductive method)を学んだのもこの時
期でした。
話すことによって、自らの感情や論理を伝え、議論の中で整合性を考
える。図書館で彼と話す時間は、私にとっては学校で過ごす時間の何
倍、いや何十倍も有意義な時間でした。
彼と過ごした学生時代の経験は、その後の私の英語学習にも大きな影
響を与えました。議論を通して真理を追究し、整合性へと導く。
それはたとえ独りで学習していても、スタンスは変わりませんでした。
英語の問題が出されたときも、受身的ではなくプロアクティブに能動
的にチャレンジする。
安楽死の問題が出題されれば「作者は何が言いたいんだろう」という
受身的な読み方をするのではなく「安楽死については私なりの見解を
持っているが、作者のあなたの考えを言ってくれ」と能動的な読み方
をする。
弁証法で鍛えた結果、こうした読み方ができるようになったのかも。
英検®1級合格には、こうしたアクティブ・リーディングのメンタリ
ティーが不可欠です。そのためにはたくさんの読書をし、日頃から考
える癖をつけておく必要があります。
単に英検®1級レベルの単語を憶えることが学習ではありません。た
とえ1つの英単語の意味を日本語で言えても、長文の中でどのように
使われ、文脈の中でどういう意味を持っているのか、また持たせてい
るのかを理解できなかったら、全く意味がありません。
大雑把に言えば国語力がリンチピン(linchpin[根幹])になるのです。
では[英検®1級講座]の6日目の今回は、哲学的思考問題にチャレ
ンジしましょう。
[英検®1級講座(6)|哲学編]
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[(A) Cynicism (B) Euphemism (C) Gaullism (D) Syllogism] is a form of
deductive reasoning consisting of a major premise, a minor premise,
and a conclusion.
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【参考】オンラインレッスン:>こちら
問題文の論法ですが、例を挙げるなら:
All humans are mortal, the major premise,
I am a human, the minor premise,
therefore, I am mortal, the conclusion.
となります。では正解と解説です。
[英検®1級講座(6)|正解と解説]
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[(A) Cynicism (B) Euphemism (C) Gaullism (D) Syllogism] is a form of
deductive reasoning consisting of a major premise, a minor premise,
and a conclusion.
【正解】(D) Syllogism
【解説】syllogismは「三段論法」と訳され、(大前提>小前提>結論)と
演繹的に進める論法です。アリストテレスによって完成されました。
cynicismは「皮肉な言葉[考え]」、euphemismは「婉曲表現[語法]」、
Gaullismは「ド・ゴール主義」、哲学的には政府が積極的に市場や経済に
介入する志向を言います。
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【参考】オンラインレッスン:>こちら
以前も紹介したことがありますが、「知識と教養の英会話」シリーズ
の<政治・経済・社会編>もお薦めです。英検®1級レベルの読解力
を身につける、いいきっかけになるでしょう。
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