君には、これだけ言っておく・・・

こんにちは、Frankです。

タイトルの言葉は、実は私が商社を辞めるときに直属の上司だった専務
から言われた言葉でした。正直、心に沁みました。

輸出部の社員として当時、北米、中南米、東南アジア、オセアニア、欧
州、アフリカと飛び回っていた私。輸出部の部長とはどうもウマが合わ
ず、生意気な私はある意味実力で専務直属という職制を勝ちとり、輸出
部々長が口を出せないレベルの職責に奔走する日々でした。

専務直属になってからは、直接褒められたことは一度たりともありませ
んでした。「なんだ、この書類は!」「考えて、仕事をしろ!」等、毎
日毎日、叱られっぱなしの日々。

それでも輸出部々長を差し置いて重要なプロジェクトのアイスブレーカ
ーを務めているという自負があり、会社を左右する重要な案件で世界を
飛び回ったときには、仕入先のメーカーから市場調査力と報告書の出来
栄えに大層感心もされました。

案の定、件のメーカーからはその数カ月後にヘッドハントのお話をいた
だいたのでした。

それが一つの引き金になり、私は自分の市場価値を確かめるべく、退職
を決意します。・・・件のメーカーには行かずに――。

今から考えると当時の私は生意気だけの青二才だったわけですが、退職
する数日前に専務から昼食に誘われ、二人っきりで食事をとりました。

美味しいステーキを食べ終えたあと、専務がこう切り出しました。

「吉田君。君にはこれだけ言っておく。仕事のことでは何も言うことは
ない。よく出来る。だがなあ、飛行機のタラップを降りるときに“俺は
商社マンだ”と心の中で自慢しているようでは、まだまだだ。あくまで
も泥臭く生きろ、いいな。それが本当の商社マンの矜持というもの
だ」

叱られ続けた日々でしたが、専務の贈る言葉に、心が沁みました。

退職は、ただ単に新たな進路への旅立ちだけではない。それは今まで育
ててくれた先輩や上司への感謝の時でもあると、気付かされた一幕でし
た。

――立派な社会人になります!

心の中で専務に誓ったこと。今の今まで、片時たりとも忘れたことはあ
りません。

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