こんにちは<Frank>です。
最近の政党会見で耳にすることが増えた「ドーマー条件」。一見難しそうな経済用語ですが、実は私たちの生活に直結する「国の財政が破綻するか否か」を判断する重要な指標です。少子高齢化が進み、社会保障費が膨らむ日本において、この条件を満たせるかどうかは国家存亡の鍵を握ります。
今回は、専門家や政治家がなぜこの理論に注目するのか、その定義から日本が抱える課題、あるいはメリット・デメリットまでを分かりやすく解説します。
1.ドーマー条件の定義
- 基本概念:経済学者のエブセイ・ドーマー(Evsey David Domar, 1914-1997:ロシア系アメリカ人)が提唱した、政府債務(借金)が経済規模に対して発散(無限に膨張)しないための条件を指します。
- 数式:簡略化すると以下の不等式を維持することです。
名目経済成長率 > 名目利回り(長期金利)
- 意味:借金の利払い負担よりも、経済の成長スピードが上回っていれば、GDP比での債務残高は自然と減少に向かい、財政は持続可能であると判断されます。
2.日本の現状
- 長年の超低金利:これまでは「成長率は低いが金利はもっと低い」という状態が続き、ドーマー条件を辛うじて満たす、あるいは金利の低さに助けられている環境にありました。
- 潮目の変化:日本銀行の政策修正により金利が上昇し始めています。金利が成長率を大幅に上回る「逆転現象」が起きれば、債務が雪だるま式に増えるリスクが生じます。
- プライマリーバランス:条件を満たしていても、基礎的財政収支(PB)の赤字があまりに大きいと、債務抑制の効果が打ち消されてしまうのが現状の課題です。
3.メリット&デメリット
- メリット:この条件をクリアしていれば、増税なしでも財政再建が可能になります。積極的な公共投資や減税で経済を活性化させる「成長重視」の政策的根拠となります。
- デメリット:条件に依存しすぎると「成長すれば大丈夫」という楽観論に陥り、支出の無駄を放置する恐れがあります。また、予期せぬ金利急騰や世界不況に非常に脆弱です。
ドーマー条件は、財政の健全性を測る羅針盤のようなものです。しかし、それはあくまで「金利と成長率」の相関関係を示すものであり、魔法の杖ではありません。日本がこの条件を持続的に満たすためには、単なる数字の管理だけでなく、イノベーションによる実質的な経済成長と、規律ある財政運営の両輪が不可欠です。
政治の場での議論を機に、私たちも「借金の総額」だけでなく「成長とのバランス」を注視していく必要があります。
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