第1章:力学(2)力のつり合いと慣性の法則

こんにちは<Frank>です。

今日は、高校物理の基本である「力のつり合い」と「慣性の法則」に
ついて説明します。これらの概念は物理学の基礎であり、理解するこ
とでより複雑な物理現象を解析するための土台を築くごとができます。

1.力のつり合い
力のつり合いは、物体に働く全ての力が合成されてゼロになる状態を
指します。この場合、物体は静止したままか、一定の速度で運動し続
けます。

(例)斜面上の物体
斜面上に置かれた物体を考えます。この物体には次のような力が働い
ています:

1.重力(𝑚𝑔)
2.垂直抗力[法線力](𝑁)
3.摩擦力(f)

重力は垂直方向に働き、法線力は斜面に垂直に働きます。摩擦力は斜
面に沿って働きます。

力のつり合いを理解するために、力を分解し、各方向での力の合計を
考えます。

垂直方向の力の合計:
𝑁 − 𝑚𝑔cos𝜃 = 0

斜面方向の力の合計:
𝑓 − 𝑚𝑔sin𝜃 = 0

ここで、θ は斜面の角度です。

斜面上の物体の力のつり合いを示す図を以下に示します。

mg N f

この図では、赤い矢印が重力(𝑚𝑔)、緑の矢印が垂直抗力[法線力]
(𝑁)、オレンジの矢印が摩擦力(𝑓)を示しています。

2.慣性の法則
慣性の法則は、物体がその運動状態を維持しようとする性質を説明す
るものです。これはニュートンの第一法則とも呼ばれ、「外力が働か
ない限り、静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速
直線運動を続ける」というものです。

(例)水平面上の物体

水平面上に置かれた物体を考えます。摩擦がない場合、この物体は一
度動き出すと外力が働かない限り、等速で運動し続けます。

水平面上の物体の運動を示す図を以下に示します。

v

この図では、青い円が物体、赤い矢印が物体の速度(𝑣)を示してい
ます。物体は外力が働かない限り、等速で運動し続けます。

3.まとめ
1)力のつり合い
  物体に働く全ての力が合成されてゼロになる状態。物体は静止す
  るか一定の速度で運動し続ける。
2)慣性の法則
  外力が働かない限り、物体はその運動状態を維持しようとする性
  質。

では基礎的な問題を出題します。模範解答は広告の後の末尾に書いて
います。解答後、ご参照ください。

【問題】
(問1)
質量 𝑚 = 3 kg の物体が、水平な面上に置かれており、摩擦力は無
視できるものとする。この物体に水平方向に 𝐹 = 12N の力が加えら
れている。このとき、物体の加速度 𝑎 を求めなさい。ただし、重力
加速度 𝑔 = 9.8 m/s2 とする。

(問2)
質量 𝑀 = 5 kg の物体が、斜面の角度 𝜃 = 30° の滑らかな斜面上を滑
り落ちている。斜面に垂直な方向の力のつり合いを考えたとき、この
物体に働く斜面に垂直な方向の力 𝑁 を求めなさい。ただし、摩擦力
は無視し、重力加速度 𝑔 = 9.8 m/s2 とする。

(問3)
慣性の法則に基づいて次の現象を説明しなさい。
1)列車が急に停車したとき、乗客が前方に倒れる理由。
2)自動車の運転中、急加速すると後方に押し付けられる感覚が生じる
 理由。

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【模範解答】
(問1)
加速度 𝑎 は、力 𝐹 と質量 𝑚 の間に成り立つ関係式、すなわちニュ
ートンの第2法則 𝐹 = 𝑚𝑎 に基づいて求められます。
𝑎 = 𝐹/𝑚 = 12N/3 kg = 4 m/s2
(解説)
物体に働く力がわかっているとき、加速度を求めるには質量で割れば
よいです。この場合 12 N の力が加わる 3 kg の物体の加速度は 4 m/s²
になります。水平な面で摩擦がないため、加えた力の全てが加速度を
生じさせます。

(問2)
斜面に垂直な方向の力 𝑁 は、物体の重力の斜面に垂直な成分として
求められます。重力 𝑚𝑔 の斜面に垂直な成分は 𝑚𝑔cos𝜃 です。
𝑁 = 𝑚𝑔cos𝜃 = 5 kg × 9.8 m/s2 × cos30∘ = 5 × 9.8 × (√3)/2 = 42.435N
(解説)
斜面に垂直な方向の力は、重力を斜面に対して分解して求めることが
できます。斜面の角度が 30∘ の場合、重力の垂直成分は 𝑚𝑔cos𝜃 で
計算できます。したがって、答えは約 42.4 N です。

(問3)
1)列車が急に停車したとき、乗客が前方に倒れる理由
列車が急に停車すると、乗客の体は慣性によりそのままの速度で進み
続けようとします。列車は止まっても乗客の体はそのまま前進しよう
とするため、前方に倒れるように感じるのです。
2)自動車の運転中、急加速すると後方に押し付けられる感覚が生じ
  る理由
自動車が急加速すると、乗っている人の体は慣性によりそのままの速
度で止まっていようとします。車が加速する一方で体は相対的に後方
に残されるため、後ろに押し付けられる感覚が生じます。
(解説)
これらは慣性の法則(物体は外力が作用しない限りその運動状態を保
とうとする)に基づく現象です。急な停止や加速は、外部の力が働き
体の運動を変えるため、反対方向に力が働いているように感じられま
す。

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Frank

■ 兵庫県立神戸商科大学・商経学部経済学科卒。総合商社勤務後、国際ビジネスコンサルタントとして独立。北米・中南米・オセアニア・東南アジア・欧州・アフリカ諸国等での駐在、インターナショナル・マイクロエレクトロニクス・アンド・システムズ国際会議での講演、米国および台湾新竹縣シリコンバレーでの表面実装技術テクニカル・アドバイザー、米国直接投資に関わる国際訴訟問題解決のためのアイスブレーカー、レザービジネスでの貿易顧問、木材輸入業での商談等、数多くのグローバルビジネスの経験を積む。■ ビジネスコンサルティングに従事する傍ら、国連英検(UNATE)特A級・ビジネス英検(BEST)A級・ボランティア通訳検定(V通検)A級・看護英語試験(TOPEC)満点・日商ビジネス英検1級・観光英検1級・全商英検1級・英単語検定(単検)1級・実用英語技能検定(英検®)1級・通訳案内業国家資格を含む英語資格十冠を達成。イーラーニング講座開講後、ズーム・スカイプレッスンとの相乗効果で英検®1級合格者72名、全国通訳案内士国家試験合格者47名、TOEIC®990満点取得者6名やその他英語資格取得者を多数輩出。■《英会話講師への登龍門》として定着した筆者開講の[実践英語の達人クラス]では、プロの英会話講師や大学教授・講師、塾講師も受講。20名以上の上級英会話講師を育成。■ goodbook出版主催の《2008年度出版登龍門》にて短編ラブロマンス小説『離れられなくなっちゃう』がグランプリ(大賞)を受賞、2009年1月商業出版にてデビュー。2012年5月には同じく商業出版にて長編社会派ミステリー小説『謎のルージュ』を出版。現在ペーパー版・Kindle版を合わせ全14作をアマゾンにて好評発売中。■ 趣味はバイクツーリング。メガツアラーの[Suzuki/GSX-1300R Hayabusa]を駆り、全国の海岸線を周遊。孤高の旅を満喫する。

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