「信用」と「信頼」の違い

こんにちは、Frankです。

A:「昨日、頼んだ書類だけど、まだできてないの?」
B:「あっ、すみません。今、すぐやります」

オフィスでよくある会話ですよね。Aさんは上司、Bさんは部下。Aさ
んは今日会議で必要な書類の作成を、昨日、Bさんに頼んでいたんで
しょう。

Aさんにすれば「(・・・Bの奴、本当に仕事が遅いんだから・・・)」
Bさんにすれば、「(・・・A課長はなんでもオレに仕事を回してくる・
・・)」と、お互い愚痴でも言いたくなる状況です。

まあ、緊急事態の場合はさておき、お互いタイムマネジメントができ
ていれば、こういう状況も避けられたのでしょうが、今日私がお話し
たいのは「信用」と「信頼」についてです。

アメリカの自動車会社フォード・モーターの創設者、Henry Fordの
名言:

――You can’t build a reputation on what you’re going to do.

「これからしようとすることで評判を得ることはできない」と。職制
上、上司の指示を待ってやる、催促されてやる――世の中、こうして
仕事をする人が殆どだと思いますが、「同僚よりも一歩抜きん出る」
「同僚との差別化を図る」ためには、仕事を待っていてはダメなんで
す。

リアクティブとプロアクティブという言葉を知っていますか?

リアクティブは、何かが起こってから対応すること。プロアクティブ
は、何かが起こる前に予防的もしくは積極的に行動すること。

私は商社に勤務していた頃、専務直属で仕事をしていた時期がありま
した。その時に学んだことは、このプロアクティブの大切さでした。

専務に言われる前から仕事の準備をし、専務が幹部会儀で報告しやす
いように書類を作成しておく。専務が満足したのは言うまでもありま
せん。

ある日、仕入れ部長が私の所に来て、こう言いました。「幹部会議で
専務が、君が作った書類のことを褒めていたぞ。『書類はこういう風
に作るもんだ』と」。

「書類を作っておいてくれ」と言われ、リアクティブに書類を作る場
合、専務は私を信用して仕事を依頼し、私はそれに応えることになる。

私はそうした仕事のミッションをいくらか完遂することで「信用」を
「信頼」に変えることができるでしょうが、例え「信頼」に変えられ
たにせよ “与えられて仕事をする人間”、即ち“リアクティブな人間”
に変わりはないのです。

将来、「社内での昇進を狙っている」、「独り立ちする」など野心を
持っているなら、上司に言われたことをまっとうすることで「信頼」
を得ることだけで満足せず、「自分が会社を仕切ってやる」。それぐ
らいの気概を持って、言われる前にアクションを起こすプロアクティ
ブな態度が必要だということです。

只、プロアクティブな行動で一つ気をつけないといけないことがあり
ます。それは書類や仕事のやり方なんかで、「こんなの作りました、
使ってください」という態度です。

この態度は押し付けがましいだけで、誰も有り難味を感じません。大
切なことは、相手に選択肢を与え、その提示した選択肢の中で「この
中ではこれがベターだと思います」と提示する。

「一やったから一を受け容れてください」では虫が良すぎませんか?
たった一つの努力でその一つを受け容れてくれ、ですからね。

そうではなく「十やりましたがこの一を受け容れて貰えませんか?」
という態度が大事なんです。そうすることで、他人は、その一に秘め
られた十の努力を評価し、その一の大切さを認識してくれるのです。

「信用」はこのようにして「信頼」に変わるのです。

自分の努力を他人に押し付けてはいけません。その努力は将来、自分
が心温まれるように備えておくのです。そう、大きな「信頼」を得る
ために。

20世紀の巨人産業家ヘンリー・フォードの軌跡

中古価格
¥6,800から
(2023/10/17 14:50時点)

私の出版作品に興味のある方はこちらをご覧ください。

只今、人気ブログランキングに参加しています。
今日の[実践商売の達人]ブログのランキングは――

人気ブログランキングでフォロー