第1章:力学(10)力積と運動量

こんにちは<Frank>です。

今回の<力積と運動量>の項目は、参考図書の中でも比較的分かりや
すかったと思います。これから自分で手を動かして解法を再現してみ
ます。

1.力積とは何か
力積(Impulse)とは、ある力が一定の時間にわたって物体に作用した
とき、その物体に与えられる運動量の変化を表す量です。力積は次の
式で表されます:

𝐼 = 𝐹・Δ𝑡

ここで、

𝐼 は力積(Impulse)
𝐹 は力(Force)
Δt は力が作用した時間の間隔(Time interval)

力積の単位はニュートン秒(N·s)です。力が時間の間に作用して運
動量を変化させる度合いを表しています。

2.力積と運動量の関係
力積は運動量の変化と直接的に関係しています。運動量(Momentum)
は物体の質量と速度の積であり、次のように表されます:

𝑝 = 𝑚・𝑣

ここで、

𝑝 は運動量(Momentum)
𝑚 は質量(Mass)
𝑣 は速度(Velocity)

ニュートンの第二法則により、力積は運動量の変化を表します:

𝐼 = Δ𝑝 = 𝑚・Δ𝑣

つまり、力積 𝐼 は物体の運動量の変化 Δ𝑝 と等しいということです。
この関係は、運動量の変化が力積によって引き起こされることを示し
ています。

3.力積と運動量の関係の例
例えば、バットでボールを打つ場面を考えてみましょう。

1)初期状態
  ボールは静止している(速度 𝑣1 = 0)。
2)力の作用
  バットがボールに一瞬の力を加えてボールを打つ。
3)最終状態
  ボールは飛び出して速度 𝑣2 を持つ。

このとき、ボールに加えられる力積は次のように求められます:

𝐼 = Δ𝑝 = 𝑚・(𝑣2 − 𝑣1)

ここで、

1)𝑚 はボールの質量
2)𝑣1 は初期速度(この場合は0)
3)v2 は最終速度

バットがボールに加えた力積 𝐼 はボールの運動量の変化を引き起こ
し、静止していたボールが動き始めます。この力積と運動量の関係に
より打たれたボールの速度が決まります。

以上、力積は物体に作用する力とその力が作用する時間の積であり、
運動量の変化と等しいです。これにより、力積は運動量の変化を引
き起こす主要な要因であることが分かります。

ではここで基礎的な問題を出題します。模範解答は罫線の下に掲載
しています。解答後、参照してください。

【問題】
質量 𝑚 = 2.0 kg の物体が水平な摩擦のない台の上で速度 𝑣0 = 3.0 m/s
で動いている。この物体に対し、𝑡 = 0 秒から 𝑡 = 4.0 秒までの間、一
定の力 𝐹 = 5.0 N が同じ方向に加えられたとする。このとき、次の問
いに答えなさい。

1.力積 𝐼 を求めなさい。
2.この力が物体に与える運動量の変化量を求めなさい。
3.物体の最終速度 𝑣 を求めなさい。

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【模範解答】
1.力積 𝐼 を求める
  力積 𝐼 は力 𝐹 とその作用時間 Δ𝑡 の積で求められる。
  𝐼 = 𝐹 × Δ𝑡
  与えられた値を代入すると、
  𝐼 = 5.0 N × 4.0 s = 20.0 Ns
  よって、力積は 20.0 Ns です。

2.運動量の変化量を求める
  力積は運動量の変化量 Δ𝑝 に等しいので、
  Δ𝑝 = 𝐼 = 20.0 Ns
  よって、物体に与えられる運動量の変化量は 20.0 kg⋅m/s です。

3.物体の最終速度 𝑣 を求める
  物体の運動量の変化は次の式で表されます、
  Δ𝑝 = 𝑚Δ𝑣
  ここで Δ𝑣 は速度の変化です。運動量の変化量が 20.0 kg・m/s なので、
  20.0 kg・m/s = 2.0 kg × Δ𝑣
  この方程式を Δ𝑣 について解くと、
  Δ𝑣 = (20.0 kg⋅m/s/2.0 kg) = 10.0 m/s
  初速度 𝑣0 が 3.0 m/s なので、最終速度 𝑣 は、
  𝑣 = 𝑣0 + Δ𝑣 = 3.0 m/s + 10.0 m/s = 13.0 m/s
  よって、物体の最終速度は 13.0 m/s です。

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今日もご一読いただき、ありがとうございました。

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