時事英語講座(23)~butの使い方を誤解していませんか?~

こんにちは、国際人養成ブロガーのFrankです。

「怖い」のちょっと先にあるものは? 続きはPSで。

 :

たまに生徒さんから、「文頭にButを使うのは間違いですよね?」と訊かれるこ
とがあります。

実は今回私が出題する[誤文訂正問題]と同じ問題を、私の実践ビジネス英語
クラスでも出題したのですが、同じように疑問に持たれた生徒さんがいました。

よく受験勉強で習った「文頭のButはダメ」というフレーズをそのまま単純に鵜
呑みにしてしまったり、ネット上でも、「文頭のandやbut、soはご法度」とネ
イティブの裏書付きで、まるで「絶対ダメ」みたいに書かれているのをよく見か
けます。

私に言わせれば、「言語学者や受験オタクの先生」がアツく語りそうな枝葉の
ような話だなあと。

例は違いますが、昔、e-mailという言葉が出てきたとき、言語学者の半数近く
は、「mailは手紙や小包など全般的な郵便物を表すから[uncountable]。
だからe-mailsと最後にsが付くのは間違いだ」と主張していました。

ところがアメリカを中心にe-mailsやe-mail messages、an email message
が使われるようになり、e-mailsが定着したわけです。言語とはそういうもの。

余程、汚い言葉として使われない限り、言語として定着するものなのです。

さて件のbutですが、Genius English –Japanese Dictionary (Third Edition)
の等位接続詞の項目の「語法」のところにこう書いてあります。

「文頭に用いるのは“まちがいではないが”避けた方がよいとされる」と。

私が注視したいのは、“まちがいではないが”のところではなく、どのシチュエ
ーションで、即ち、何の目的で、誰に書くときに“避けた方がよいとされる”の
かということです。

要はそれがアカデミックなおじさんたちだけに気に入ってもらうために書く文
章という意味ならわからないでもないですが、一般社会のEnglish as a means
of communicationという観点から考えれば、マイナーなことかなと思うのです。

実際、butの文頭の用例は、The Japan Times On Sunday(Nov.24, 2013)に
も頻繁に出てきます。

1. … in these zones have reportedly been abandoned. But why stop …
2. … who tend to unify on only one issue: hating Japan. But polls now …
3. … Americans without a court order. But experts say that if the NSA …
4. … and better encryption, industry officials say. But even where such …

上記の記事は全てネイティブが書いたもので、尚且つ3.の文章は、
The Washington Postからの抜粋です。

会話に至っては尚更で、私が毎年実践ビジネス英語クラスの指定教材にしてい
る『英語で学ぶMBAベーシックス』を始め、『Business1200』にもbutを文頭
に持ってきた例がたくさんあります。

まあ、「butの文頭は会話的にはOKだけれど、書き言葉としては“まちがいで
はないが非標準”」ということに固執したがる人たちが未だにいるので、英語学
習者のあなたは惑わされないようにしてくださいね。

では今回の問題です。文章中に文頭のButがありますが、このButは“まちがい”
ではないので、それ以外の、もっと重要な間違いを探してください。

制限時間は30秒です。申し訳ないですが、ご自身で測ってください。

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┃☆┃時事英語講座(23)~butの使い方を誤解していませんか?~
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

誤りが2つあります。訂正してください。

The moral of workers here has just about hit bottom. But we are
ready to fight against our rights. All we want is for our employer
to treat us fairly.

【Answer①】×(      )→ ○(      )
【Answer②】×(      )→ ○(      )

【ヒント】
文頭は「社員のやる気」、hit bottomは「どん底に落ちている」です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━”
【参考】一発逆転!崖っプチビジネス英語:>こちら

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ヒントをあげ過ぎちゃいましたが、色んな側面から考えないと正解
が得られないかも、です。では正解と解説をチェックしましょう。

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┏━┓
┃☆┃時事英語講座(23)~正解と解説~
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誤りが2つあります。訂正してください。

The moral of workers here has just about hit bottom. But we are
ready to fight against our rights. All we want is for our employer
to treat us fairly.

【Answer①】×(moral)→ ○(morale)
【Answer②】×(against)→ ○(for)

【正解】上記の解答を参照してください。
【解説】moralは「教訓、道徳」の意味です。fight againstは「(困難・病
気など)と闘う;(敵など)との戦う」。出題文のように「権利のために闘う」
ならfight forになります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考】一発逆転!崖っプチビジネス英語:>こちら

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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どうぞ素敵な一日をお過ごしください。

Frank Yoshida
Power Blogger for
Cosmopolitan Development

PS

NIKKEIのWEB GOETHEに、滝川クリステルさんとモーグル選手の上村愛子さん
とのスペシャル対談があり、じっくりと読みました。

その対談の中の上村さんの言葉が素敵でした。「完璧な滑りとは、怖いと思う
ところのちょっと先にある」と。

モーグルではコブを滑るが、無意識にブレーキをかけている恐怖心を乗り越え、
コブの向こう側になだらかな斜面が待っているとイメージすると、意外に越え
られるとも。

それを楽しんで越えられたら、超一流になれるんでしょうね。
将棋棋士の羽生善治さんも仰っていました。

三流は人の話を聞かない。
二流は人の話を聞く。
一流は人の話を聞いて実行する。
超一流は人の話を聞いて工夫する。

上村さんと羽生さんの言葉は、英語学習を始め、
人生すべてに通じるものがありそうです。

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