『会田刈田~英検1級合格を目指す~』~立ち読み(2/3)~(Bilingual Edition)

こんにちは<Frank>です。Top Interview Questions

早速、拙作の短編パロディー小説『会田刈田~英検1級合格を目指す~』の立ち読み3部作の第2部をご紹介します。

あくまでもパロディー小説ですので、常日頃から物事を真面目に捉え、性格的に「何だこの小説は!」とすぐにキレる方は決して読まないでください。

ではこの小説の馬鹿さ加減をご堪能ください。

   ◆

   2

 八月三日、水曜日、快晴。
 その日もだらだらと仕事を切り上げた刈田は、帰宅を急ぐサラリーマンや
OLに混じって、梅田から阪急電車の先頭車両に乗った。それは、刈田が降
りる清荒神駅の改札口が、最短になるからである。
「あ~」
 刈田がいつものように、間延びした、ため息混じりの欠伸をした。
 車窓越しに映っている自分の姿を見て、俺はいったい何をしているのだろ
う、と心の中で呟いた。
 徐にコートの右ポケットに手を突っ込み、昨日買った英語本が入っている
のに気付いた。『ジョーダン・ヨシタのイケイケ英会話』――刈田は、《はじ
めに》と書いてあるページを開いた。

 ――《はじめに》イケテない君、この本は君にとってはコロンブスだ。ア
  メリカ大陸発見だ。いや、里見八犬伝だ。少しは笑ったか?
 刈田は正直なところ、少し笑った。
 ――当たるも八卦、当たらぬも八卦。“八卦宵”残った、だ!
 何が言いたいのか、さっぱり分からない。
 ――さっぱり分からないだろう。言葉なんて“伝達アチャコ”だ!
 駄洒落も、何となく古臭く感じる。そう思った刈田は、本を閉じかけた。が、
突如目の前にゴシック体の派手な赤の文字が浮かび上がり、あたかも交差点で
凍り付くように思いとどまった。
 ――これが当たっていたら、読み続けた方がいいぞ。
 刈田は、慌てて次のページを開けた。
 ――外国人に「ウェア・パンスト、ウェア・パンスト」と話し掛けられて、
  「ノー・マインド、ノー・マインド」と答えたことがあるだろう?
 刈田は自分の眼を疑った。
 ――実はこれ、「フェアーズ・ザ・バストップ、バス停はどこですか?」と言
  ってるんだよ。
 眼から鱗が落ちるとは、このことか!
 会田は宝物でも発見したかのように、目を吊り上げ、次のページを捲った。
「お客さん、終点ですよ!」
 ハッとして周りを見渡すと、最寄りの清荒神駅を乗り過ごして、終点の宝塚
駅まで来ていた。
 本を読んで乗り過ごしたのは、刈田の人生、これが始めてだった。

 というわけで、いつもより十数分遅く帰宅した。
「あんた、どうしたん?」妻の乃代が心配して尋ねた。
「乗り過ごしてしもた」へぇ~と、気のない返事の乃代。「晩飯は?」
「今晩はインスタントの“月進焼きそば”やけど」
「あぁ」
 クーラーの無い四畳半の部屋に入ると、ムッとした。
 毎度のことだと分かっているが、やはりこの暑さには耐えられない。電気
代をケチっている身を忘れ、扇風機のスイッチをオンにした。
 パンツ一枚になり、早速、例の英語本を取り出した。

 ――《第一章》まさか! キミは第一章を読み始めたのか? すごい! 天変
  地異だ、地位協定だ。大概の読者は《はじめに》を読んで、馬鹿らしくて
  ごみ箱行きにするのだが、君は第一章を読み始めるという、驚異的なステ
  ップを踏んだわけだ。何とその可能性は百万分の一!
「ねえ、あんた、野菜がないけど」
「うん」
 ――じゃ、《今日の一言》。「人生に感動しない奴は、語学はやるな!」。
  キミは感動しない、って? じゃ、関西人は関東に行って「竹刀」を持て!
  関東人は・・・悪いけど、今、答えはない。いや、待て・・・思いついた。
  「勘当」されても仕方がない。
 また下らん冗談か。やや癇に障ったが、今度は本を閉じようとはしなかった。
何故なら刈田には、百万分の一に選ばれた、という自負心があったからだ。
 ――そこでだ。感動しない奴にも望みはある。その望みとは!
「望み、とは?」刈田は思わず反復した。
「あんた、明日出張なん?」
「なんで?」
「“のぞみ”って言うから」
 乃代の久しぶりのベタな返しが、刈田には心地良い。
 ――そう、ニューヨーク、ビッグ・アップル に行って来るがいい!
 なんで、また? 読者は海外に行って英語を勉強できないから、この本を買
 って読んでいるんじゃないか。それなのに――。結局この本は、バチ物だ。だ
 いたい、ニューヨークに行く金がどこにある。
 刈田は苛立った。
「あんた、焼きそばができたよ」
 乃代の言葉に弾みをつけて本を閉じようとしたが、魔訶不思議。二度目の偶
然に遭遇した。

   ◆

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Frank

■兵庫県立神戸商科大学、商経学部経済学科卒。総合商社勤務後、国際ビジネスコンサルタントとして独立。北米・中南米・オセアニア・東南アジア・欧州・アフリカ諸国等での駐在、インターナショナル・マイクロエレクトロニクス・アンド・システムズ国際会議での講演、米国および台湾新竹縣シリコンバレーでの表面実装技術テクニカル・アドバイザー、米国直接投資に関わる国際訴訟問題解決のためのアイスブレーカー、レザービジネスでの貿易顧問、木材輸入業での商談等、数多くのグローバルビジネスの経験を積む。■ビジネスコンサルティングに従事する傍ら、国連英検(UNATE)特A級・ビジネス英検(BEST)A級・ボランティア通訳検定(V通検)A級・看護英語試験(TOPEC)満点・日商ビジネス英検1級・観光英検1級・全商英検1級・英単語検定(単検)1級・実用英語技能検定(英検®)1級・通訳案内業国家資格を含む英語資格十冠を達成。イーラーニング講座開講後、スカイプレッスンとの相乗効果で英検1級合格者72名、全国通訳案内士国家試験合格者47名、TOEIC®990満点取得者6名やその他英語資格取得者を多数輩出。■《英会話講師への登龍門》として定着した筆者開講の[実践英語の達人クラス]では、プロの英会話講師や大学教授・講師、塾講師も受講。20名以上の上級英会話講師を育成。■goodbook出版主催の《2008年度出版登龍門》にて短編ラブロマンス小説『離れられなくなっちゃう』がグランプリ(大賞)を受賞、2009年1月商業出版にてデビュー。2012年5月には同じく商業出版にて長編社会派ミステリー小説『謎のルージュ』を出版。現在ペーパー版・Kindle版を合わせ全14作をアマゾンにて好評発売中。■趣味はバイクツーリング。メガツアラーの[Suzuki/GSX-1300R Hayabusa]を駆り、全国の海岸線を周遊。孤高の旅を満喫する。

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