こんにちは<Frank>です。
いつの主催だったか正確には思い出せませんが、福井県の文化振興事業団が主催している「一筆啓上賞」の作品の中で、ひときわ心に残ったものがあります。
母さんへ
「お母さん、もう歩くの疲れた!」
「ほな走り」
今も私は陸上部で走っています。
この短い手紙を初めて読んだとき、思わず笑みがこぼれました。
大阪ではごく当たり前のように交わされる「ボケとツッコミ」のやり取り。しかし、紙の上に文字として表現されると、その場の情景が鮮やかに浮かび、まるで小さな舞台を目の前にしているかのようです。母と子の声が聞こえてくるような気がしませんか?
「歩くの疲れた」と弱音を吐く子に対して、普通なら「少し休みなさい」とか「もう少し頑張ろうね」と返すのが一般的でしょう。ところがこのお母さんは一味違います。「ほな走り」。その言葉には、突拍子もないけれど温かい励ましと、独特の笑いのセンスが込められています。だからこそ、この短い会話が読み手の心に深く残るのだと思います。
「日本一短い手紙」と題された一筆啓上賞の魅力は、まさにこの凝縮された言葉の力にあります。短いからこそ、余白に人間関係や背景を想像できる。書き手の性格や家族の雰囲気までも浮かんでくる。読む側にとっては、短文の奥に広がるドラマを想像する楽しみがあるのです。
この作品の面白さは、地域性とも深く結びついています。作者の家族にとって「ボケ」と「ツッコミ」は日常の一部。何気ない生活の中で自然に生まれるやり取りが、笑いとともに子どもを励まし、時には支えになっているのです。だからこそ、この手紙は「普通の会話」に過ぎないのかもしれません。しかし、他の地域の人からすると、それが新鮮でユーモラスに映る。地域文化がにじみ出る一瞬の言葉が、文学作品として光を放つのです。
私はこの短い手紙を読むたびに、言葉の奥行きと人間関係の豊かさに驚かされます。ほんの十数文字で、母と子の絆、ユーモア、そして人生の躍動感まで伝わってくるのですから。まさに「短い言葉に無限の物語あり」ですね。
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