【哲学】哲学の祖タレス ― 「万物の根源は水」の真意と現代的ユーモア(Bilingual Edition)

こんにちは<Frank>です。哲学の祖・タレス ― 水と数学と逸話に彩られた生涯

今回は<哲学の祖・タレス>に関するお問合せです。


【質問】
何日前か忘れたけど、パチンコの帰り、ただで本を読もうと図書館に行ったんだけど、たまたま薄茶色になった哲学の本が目に留まってページをめくったら、「万物の根源は水である」という言葉を見つけたんだ。俺も世の中は<水物>だとは思ってたけど、これは<お水の商売>と若干関係があるのかな? 変な質問でごめんよ。(パチンコ屋の早朝開店の球出しでその日暮らしをしているパチンコ野郎より)

【回答】
ご質問ありがとうございます。<お水の商売>という発想は面白いですね。奥深い発言で哲学的です。回答する前に、「万物の根源は水である」と言ったタレスについて少しお話しをしておきます。

タレスは古代ギリシャの哲学者(紀元前624年頃~紀元前546年頃)で、「西洋哲学の祖」とも呼ばれています。小アジア西岸の港町ミレトスに生まれ、実は自然現象を神話や伝承ではなく、理性と観察によって説明しようとした初期の人物の一人でした。その姿勢は後世の哲学や科学の礎となり、西洋思想史において特別な位置を占めています。

仰る通り、タレスの最も有名な主張のひとつが、「万物の根源(アルケー)は水である」という説です。当時、人々は雷や地震、季節の移り変わりを神々の気まぐれとして説明していました。しかし彼は、世界を構成する基本的な原理を自然の中に求め、観察の末に水を選択。水は液体、氷、蒸気と形を変え、生命に不可欠であり、植物や動物、土地の肥沃さにも直結する。この柔軟性と普遍性が、彼をして「すべては水から生じ、水に還る」と結論づけさせたのです。

哲学者であると同時に、タレスは数学者・天文学者としても卓越していました。中でも有名なのが「タレスの定理」です。これは「半円の直径を一辺とする三角形は必ず直角三角形になる」という幾何学的な命題です。現代では中学校の数学で学ぶ内容ですが、当時は画期的な発見でした。この定理を応用し、タレスはピラミッドの高さを影の長さと比較して求めたとも言われています。単純な道具と理論だけで巨大建造物の高さを計測できるという発想は、観察と論理の力を象徴していると言えます。

また、タレスにはいくつもの興味深い逸話が残されています。ある時、天体観測に夢中になるあまり足元の井戸に落ちてしまったそうです。それを見た近くの農婦が、「空ばかり見て地面が見えていない」と笑ったとか。この話は、哲学者が理想や宇宙に思いを馳せる一方、現実的なことに疎いという皮肉の象徴として今も語り継がれています。

しかしタレスは決して現実に無頓着な人物ではありませんでした。ある年、星の動きから翌年はオリーブが豊作になると予測した彼は、事前に搾油所を安く借り上げ、収穫期に高く貸し出して大きな利益を得ました。これは「哲学者は貧しいから実用性がない」という批判への痛快な反論でした。必要とあれば富も得られるが、彼はあえて知を追求する人生を選んだのです。

タレスの思想は、その後の哲学者たちに大きな影響を与えました。アナクシマンドロスやアナクシメネスといったミレトス学派の弟子たちは、それぞれ「万物の根源は無限なるもの(アペイロン)」「空気である」と新たな説を展開しますが、自然界の原理を探る姿勢はタレスから受け継いだものでした。

現代の私たちにとって「万物の根源は水」という説は科学的には正しくありませんが、その発想は重要な意味を持ちます。なぜならそれは、世界を理解しようとする最初の試みであり、人間が神話から理性へと歩み出した象徴だからです。タレスは空を見上げ、数を数え、水の流れに耳を傾け、そこから普遍的な原理を見出そうとしました。彼の探求心と柔軟な思考は、今なお私たちに知的好奇心の大切さを教えてくれます。

あなたが言う「お水の商売」は、ご存知のように主にお客様の好意や人気によって収入が左右される不安定な職業、即ち飲食業、接客業、風俗業など、お客様の来店や指名によって収入が変動する業種を指しますが、ところ変われば品変わるで、まさしく「万物の根源は水」と言っても過言ではないでしょう。

タレスが現代に生きていたら、きっと北新地のクラブに行って、「ワシはお金はアルケー(万物の根源)! 苦しゅうない、こっちへこい!」と若い姉ちゃんに入り浸っていたかもしれません。

尚、参考図書の眠れないほどおもしろい哲学の本にタレスのプロフィールが書かれていますが、最後に取り上げていた彼の逸話にクスっと笑ってしまいました。

母親が彼に無理やり妻を娶らせようとしたとき、タレスは「まだ、そのときではない」と答え、その後もう一度迫ると、「もう、そのときではない」と断ったとか。

私自身も商社マンのとき母からお見合いの写真を見せられ「結婚する?」と迫られたことがありましたが、海外を飛び回り多忙な日々を過ごしていたことから「まだ、そのときではない」と答え、独り身になった今、知人から「そろそろ結婚したら?」とお声をかけていただくも、「もう、そのときではない」と同じように断っている自分がいます。

世の中、水の如く、自然体で、それでいて数学的に計算高く生きるのが一番、と思っている今日この頃です。

【参考図書】

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Frank

Frank

■ 兵庫県立神戸商科大学・商経学部経済学科卒。総合商社勤務後、国際ビジネスコンサルタントとして独立。北米・中南米・オセアニア・東南アジア・欧州・アフリカ諸国等での駐在、インターナショナル・マイクロエレクトロニクス・アンド・システムズ国際会議での講演、米国および台湾新竹縣シリコンバレーでの表面実装技術テクニカル・アドバイザー、米国直接投資に関わる国際訴訟問題解決のためのアイスブレーカー、レザービジネスでの貿易顧問、木材輸入業での商談等、数多くのグローバルビジネスの経験を積む。■ ビジネスコンサルティングに従事する傍ら、国連英検(UNATE)特A級・ビジネス英検(BEST)A級・ボランティア通訳検定(V通検)A級・看護英語試験(TOPEC)満点・日商ビジネス英検1級・観光英検1級・全商英検1級・英単語検定(単検)1級・実用英語技能検定(英検®)1級・通訳案内業国家資格を含む英語資格十冠を達成。イーラーニング講座開講後、ズーム・スカイプレッスンとの相乗効果で英検®1級合格者72名、全国通訳案内士国家試験合格者47名、TOEIC®990満点取得者6名やその他英語資格取得者を多数輩出。■《英会話講師への登龍門》として定着した筆者開講の[実践英語の達人クラス]では、プロの英会話講師や大学教授・講師、塾講師も受講。20名以上の上級英会話講師を育成。■ goodbook出版主催の《2008年度出版登龍門》にて短編ラブロマンス小説『離れられなくなっちゃう』がグランプリ(大賞)を受賞、2009年1月商業出版にてデビュー。2012年5月には同じく商業出版にて長編社会派ミステリー小説『謎のルージュ』を出版。現在ペーパー版・Kindle版を合わせ全14作をアマゾンにて好評発売中。■ 趣味はバイクツーリング。メガツアラーの[Suzuki/GSX-1300R Hayabusa]を駆り、全国の海岸線を周遊。孤高の旅を満喫する。

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