ゲーテの言葉に人生を味わう、涙とともに

こんにちは、Frankです。

「涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の味はわからない」
ゲーテの言葉です。

私の拙作『離れられなくなっちゃう』にもゲーテの言葉が登場しますが、
小説家にピッタリ当て嵌まる言葉だと思っています。

「あなたには泣く経験が足りません。枯れるくらいに泣き続けないと、
良い作品は書けません」
「もっと苦しい思いをしなさい」

そうゲーテが語りかけているようです。

私自身、中学生の頃だったと思いますが、生活が苦しいときがありま
した。クラブが終わって家に帰ると、母が台所のテーブルで、ポツン
とひとり座って、泣いていました。

「どうしたん?」
私がそう訊くと、母は涙を拭きながらこう答えました。
「今晩、食べる物がないねん」
一瞬、言葉を失った私でしたが、咄嗟にこう答えたのを覚えています。
「ご飯と塩昆布で十分や」

私はそのときの母の顔が、今でも忘れられません。

泣ける経験というのは、クリエイターにとっては大切な経験です。
胸が裂けるような思いだから、たくさんは経験したくないけれど、
胸が傷んだ分、それと同じだけ心が豊かになっている。

涙しながらパンを食べた日のこと。
辛かったけど、だから今の私がある。

そう思う、今日この頃です。

ゲーテ詩集 (新潮文庫)

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