こんにちは、Frankです。
短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ
せていただきます。
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物狂おしいほどの日中の熱気がふと途切れ、息をひそめていた涼気が
蘇る。・・・
冒頭、もう少し引用したかったのですが、胸が詰まって手が止まって
しまいました。2010年の1月25日、筆者の北森氏は心不全のため48歳
という若さで亡くなられました。残念です。
この物語は一人のプロフェッショナルのバーテンダーが自らの引き際
を決める物語。言わずもがな、ミステリー性が盛り込まれています。
ビアバーのマスター工藤による謎解きとともに、料理の描写が光って
います。私自身、グルメ通ではないのですが、興味をそそられる料理
が何度か登場します。
商社マン時代、酒に溺れる日本人の海外駐在員をたくさん見てきた私。
自分を見失ってほど飲むお酒とは、いったい何なんでしょう。
正直、そんな疑問に答えてくれる小説が読みたかったのですが、私の
商社マン時代の泥臭さとは無縁の、清々しいドラマ設定でした。
北森氏のご冥福をお祈りします。
『ラストマティーニ』ではありませんが、北森鴻氏の参考図書をご紹
介しておきます。良かったらご一読ください。
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