『夜を急ぐ者よ』(佐々木譲著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 直木賞作家、佐々木譲氏のサスペンスですが、私にはもうひとつ響か なかった。 「嵐の那覇。組織に追われる男は、かつて愛した女と邂逅する」 <直木賞作家の傑作サスペンスロマンス>と謳い文句はいいのですが、 その帯広
『出口入口』(永井龍男著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ ――前年の暮から1月2月と、雪らしいものは一向降らなかった。 こんな冒頭で始まるこの掌編は、短編小説の名手と知られた永井
『早朝ねはん』(門井慶喜著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 美術品の真贋を舌で見分ける美術探偵、神永美有シリーズの1編です が、正直なところ私の読後感はあまりよろしくありませんでし
『333のテッペン』(佐藤友哉著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 全長三百三十三メートルの東京タワーの塔頂部で男が死んだという一 つの事件は、またたく間にという表現が大げさであるとしても
『脂肪遊戯』(桜庭一樹著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 熟成した佐々木譲氏、横山秀夫氏とは違った、私にとってはナイーブ な作品のように映りました。 失礼な言い方ですが『夜を急ぐ
『罪つくり』(横山秀夫著)を読んで★★
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 『夜を急ぐ者よ』(佐々木譲著)に比べると、満足度の高い短編と言 えます。 「まもなく落ちる。」の切り出しは、犯人を取調べ
『めんどうみてあげるね』(鈴木輝一郎著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 鈴木輝一郎氏といえば、父は鈴木コテ製作所社長で、一旦はサラリー マンになるも帰郷して同社に入社、父の死後は自ら経営に携わ
『ラストマティーニ』(北森 鴻著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 物狂おしいほどの日中の熱気がふと途切れ、息をひそめていた涼気が 蘇る。・・・ 冒頭、もう少し引用したかったのですが、胸が
『妻の女友達』(小池真理子著)を読んで★
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。ネタバレ注意!です。  ◆ 冒頭、<広中肇は、市役所の戸籍係をしている>で始まるフレーズに、 読者は主人公のキャラクターに想像を
『とほぼえ』(内田百閒著)を読んで★★★
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 書評にもある通り、内田百閒(うちだひゃっけん)といえば、夏目漱 石の弟子で、『我が輩は猫である』の水瓶に落ちて死んだ猫を生き返
『日曜日のヤドカリ』(本多孝好著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 《見上げた空が眩しかった。けれど、十一月の低い日差しは目に痛い というほどでもなく、俺はごろりと横になったまま、窓ガラスの向こ
『オムライス』(薬丸 岳著)を読んで★★
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 久しぶりに往復の車内50分で一気読みしました。  ◆ ――前田恵子は夫の遺影を見つめていた。 小説というより、テレビの映像が浮
『鬼火』(吉屋信子著)を読んで ★★
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こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 1916年、少女画報に連載された『花物語』が、女学生のバイブルとい われ、人気作家となった吉屋信子。少女小説で大作家になったが
『華燭』(舟橋聖一著)を読んで
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こんにちは、Frankです。 書籍の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさせ ていただきます。  ◆ (須本一橋両家結婚披露宴は、今やデザートコースに入った。・・・) こんな冒頭で始まるこの作品は、最初から最後まで「一末輩者
『共犯者』(松本清張著)を読んで ★★★
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こんにちは、Frankです。 松本清張の短編を集めた書籍の巻末にある、薀蓄のある 書評を引用しながら、感想を述べさせていただきます。  ◆ 内堀彦介は、成功した、と自分で信じている。・・・ この件(くだり)が好きです。 食器具の販売員をして