《全国通訳案内士》ミステリー小説の英日翻訳で英文読解力アップ

こんにちは、国際人養成ブロガーのFrankです。

以前、お話したと思いますが、独立した当初、ビジネスコンサルティング
の仕事が軌道に乗るまでの間、暫く翻訳学校で翻訳の勉強をしていました。

その時のクラスメートに、Sさんという方とKさんという方がいました。
私たち三人、すぐに意気投合し、レッスンの後によくお茶をしました。

私の知り合いの男性の翻訳家も誘って、4人で旅行に行ったこともありま
した。

なんと言ってもこの業界、私を含め個性豊かな人が多く、旅行中の夕食時
も、独特の雰囲気を醸し出していました。その頃の私は自営業丸出しで、
腕には金のブレスレットをつけ服装はハワイ帰り。そんな出で立ちでした。

端的に言えば、「バブラー」の名残みたいな格好をしていたわけです。

旅行先の土産店で木刀を買ったとき、Kさんが「吉田さん、なんで木刀な
んか買うの?」と訊かれ、「ときどき事務所に変な電話かかってくるから、
自衛のためや」と平気で答えていた、そんな時代でした。

翻訳を勉強している人って、なんとなく「か細くて神経質」というイメー
ジを持っていると思いますが、実はとっても芯が強く、私が知る限りでは
体育会系の人間の何倍、何十倍ものへこたれない精神力を持っているとい
う印象でした。

翻訳家はナメない方がいいですよ。

そう、あれから30年。あっという間に時間が経ちました。
ここで上述の旅行仲間の今を少しご紹介します。

▶ Sさん
その後、400名近くが応募した翻訳コンクールで1位に輝き翻訳家のプロ
としてデビュー。今ではハーレクインのラブロマンス小説を50冊以上訳す
超ベテランに。

以下、(株)ハーレクインの「文芸翻訳家への道」にて紹介されたSさん
の「訳者紹介」の記事です。

「ハーレクイン社の翻訳家として1991年にリー・ウィルキンソン作『僕の
エンジェル』(R-1455)でデビュー以来、これまでに50作以上の訳書があ
る。スーザン・スペンサー・ポール作『逃げた相続人』(HS-92→HHB-11)、
アン・マリー・ウィンストン作『愛を知らない億万長者』(D-982)、ダ
イアナ・パーマー作『涙の湖』(D―1106)、アネット・ブロードリック作
『古城で待つ人』(N-1053)など話題作多数」

▼ Kさん
翻訳のお仕事をこなす傍ら、信じられないくらいの数のPCソフトの資格
を取得、関東でインストラクターもやっておられます。

▼ 知り合いの男性翻訳家
正直、今どうしているのか知りません(笑)。というわけで昔の話ですが、
彼と初めて会ったのは閑静な住宅街の一角にある喫茶店。翻訳雑誌を通し
て知り合いました。当時の彼は産業翻訳だけで月に50万円くらい稼いでい
ました。翻訳家で月にこれぐらい稼いでいたらスゴイ部類です。お酒が好
きで稼いだ金の殆どはお酒に使っていると言っていました。今、どうして
いるんだろう。

▼ そして私は
その後、実務翻訳の仕事がバンバン入ってきて翻訳学校どころではなくな
りました。それから数年してコンサルティング業が本格化、事務所を開く
ことに。今はインターネットビジネスも展開中です。

いや~、ドラマですね。懐かしいです。色んな時を経て今の自分が作られ
ている、そんな感じです。前置きがかなり長くなりました。

では今回は、ミステリーの英日翻訳で読解力を鍛えましょう。

▶《全国通訳案内士》ミステリー小説の英日翻訳で英文読解力アップ
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次の文章はアガサ・クリスティーの「ABC殺人事件」からの抜粋です。
日本語に訳しなさい。正解例はあくまでも模範訳で、他にも正解はあります。

With the murder of Sir Carmichael Clarke the ABC mystery leaped into
the fullest prominence. The newspapers were full of nothing else. All
sorts of ‘clues’ were reported to have been discovered. Arrests were
announced to be imminent.
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【講座】Frankの一発逆転!崖っプチ通訳案内士講座:>こちら

この小説は、数年前、私の英日翻訳コースで教材として使いました。

少人数のクラスでしたが、英検®1級・全国通訳案内士・TOEIC®950以上の
資格を持った生徒さんやイギリス在住経験豊富な、とっても教養のあるご
婦人などが参加され、各々ご自分の訳例を披露。

とても楽しいクラスでした。原書と訳本を後でご紹介しますので、よかっ
たらお読みになってください。では正解例をどうぞ。

▶《全国通訳案内士》ミステリー小説の英日翻訳で英文読解力アップ
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次の文章はアガサ・クリスティーの「ABC殺人事件」からの抜粋です。
日本語に訳しなさい。正解例はあくまでも模範訳で、他にも正解はあります。

With the murder of Sir Carmichael Clarke the ABC mystery leaped into
the fullest prominence. The newspapers were full of nothing else. All
sorts of ‘clues’ were reported to have been discovered. Arrests were
announced to be imminent.

【正解例】
カーマイケル・クラーク卿の殺害事件が起こったとたん、ABC事件は
前面に躍り出た。それだけが紙面を占領した。ありとあらゆる「手が
かり」が発見されたという記事が載った。逮捕は間近だと報道された。
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【出典】The ABC Murders (Poirot):>こちら
    ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫):>こちら

prominenceもclueもimminentも日本語の意味はわかっている。でもそれを
どう訳すかですよね。身分、年齢、話している相手、時代背景など、色ん
な要素を加味して訳していく。これが翻訳の醍醐味です。

私は実務翻訳を中心に仕事をしていましたが、一時医療系のインターンの
小説を訳したこともありました。

関連の小説や専門誌を5冊ぐらい読み、訳に取り組みました。大変苦労し
ましたが、訳し切ったときの達成感は今でも忘れられません。

実務翻訳なら100万円稼ぐのも夢ではありません、実際、私でも稼げました
から (^^)> 只、納期を遅らせない、誤訳を極力少なくするの2点が鉄則。
興味があればチャレンジなさってください。

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