『333のテッペン』(佐藤友哉著)を読んで
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 全長三百三十三メートルの東京タワーの塔頂部で男が死んだという一 つの事件は、またたく間にという表現が大げさであるとしても
ちょっぴりミステリアスな小説を
Mystery
こんにちは、Frankです。 拙作の長編社会派ミステリー小説『謎のルージュ』の刊行以来、温め ていた掌編や短編を続々とKindle版で出版。早14作になりました。 パロディーやミステリー系が好きなのでその辺りのジャンルを中心に 上梓してきま
母の背中
Haiku
こんにちは、Frankです。 子供の頃を思い出す俳句です。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 夜なべする 母の背中に 滲むまなこ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 中学生のときだっ
親ごころ
Tanka
こんにちは、Frankです。 世の中には手の凝った食べ物が好きな人がいますが、私はどちらかと いうと正反対の立場です。「濃厚なクリームをかけた」とか正直、ま ったく興味がありません。 シェフの自己満足の料理を出されても、「ハッ?」て感じです
二人の絆はそんなものだったのか
Conté
先日、道路脇の歩道を歩いていたときのこと。 考え事をしていた私は、前から手をつないで歩いてきたカップルのこ となど一切気に留めず、二人のど真ん中を目がけて直進していた。 すれ違い様に「あっ!」と気付いたものの時すでに遅し。握り合って いた二
『脂肪遊戯』(桜庭一樹著)を読んで
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 熟成した佐々木譲氏、横山秀夫氏とは違った、私にとってはナイーブ な作品のように映りました。 失礼な言い方ですが『夜を急ぐ
『罪つくり』(横山秀夫著)を読んで★★
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 『夜を急ぐ者よ』(佐々木譲著)に比べると、満足度の高い短編と言 えます。 「まもなく落ちる。」の切り出しは、犯人を取調べ
『めんどうみてあげるね』(鈴木輝一郎著)を読んで
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 鈴木輝一郎氏といえば、父は鈴木コテ製作所社長で、一旦はサラリー マンになるも帰郷して同社に入社、父の死後は自ら経営に携わ
『ラストマティーニ』(北森 鴻著)を読んで
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。  ◆ 物狂おしいほどの日中の熱気がふと途切れ、息をひそめていた涼気が 蘇る。・・・ 冒頭、もう少し引用したかったのですが、胸が
『妻の女友達』(小池真理子著)を読んで★
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。ネタバレ注意!です。  ◆ 冒頭、<広中肇は、市役所の戸籍係をしている>で始まるフレーズに、 読者は主人公のキャラクターに想像を
『とほぼえ』(内田百閒著)を読んで★★★
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 書評にもある通り、内田百閒(うちだひゃっけん)といえば、夏目漱 石の弟子で、『我が輩は猫である』の水瓶に落ちて死んだ猫を生き返
『日曜日のヤドカリ』(本多孝好著)を読んで
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 《見上げた空が眩しかった。けれど、十一月の低い日差しは目に痛い というほどでもなく、俺はごろりと横になったまま、窓ガラスの向こ
『オムライス』(薬丸 岳著)を読んで★★
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 久しぶりに往復の車内50分で一気読みしました。  ◆ ――前田恵子は夫の遺影を見つめていた。 小説というより、テレビの映像が浮
『鬼火』(吉屋信子著)を読んで ★★
Review
こんにちは、Frankです。 短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさ せていただきます。 1916年、少女画報に連載された『花物語』が、女学生のバイブルとい われ、人気作家となった吉屋信子。少女小説で大作家になったが